サッポロ・シティ・ジャズからのお知らせ

TV出演で話題沸騰!9才の天才ジャズピアニスト
奥田 弦 1st album 「奥田 弦」
2011年12月21日発売 ¥2,100(税込) MYCJ-30617

五感と野生を刺激する驚異の天才小年ピアニスト!
-ジャズジャパン編集長 三森隆文

この年齢で、テクニックだけでなく、表現力、アレンジ力、
即興力が備わっているところが天才的!
-ジャズピアニスト 佐山雅弘

★9歳(録音時)の天才ジャズピアニスト「奥田弦」は、3 才でおもちゃのピアノで遊びはじめ、5 才の時から熱心に練習するようになった。8 歳の時、3 か月ピアノの先生に習ったが、あとは全て自己流。 家にあったジャズのCDを聴くうちジャズの魅力にのめり込み、自分で研究し自己流で大人顔負けのテクニック、作曲力、アレンジ力、表現力を身につけた。
テクニックもリズム感も素晴らしいが、なにより、ジャズに大切な熱いソウルを9歳ですでに持っていると評価され、コンサートに来た観客に元気を与える力を持っている。
NHK「天才テレビくん」、日本TV「世界一のSHOW タイム」、TBS「金スマ」などのTV 出演を果たし、現在もコンサートやTV 出演のオファーが殺到している。1000 人のコンサート動員力を持ち、2011 年、すでに毛呂山町福祉会館/川越市市民会館/兵庫県香住中央公民館においてホール・コンサートを行っている。
天才ジャズピアニスト奥田弦のデビュー・アルバムは、TVやコンサートで演奏しCD化の要望が高かったジャズ・スタンダードやクラシック曲を中心に、未発表のオリジナル曲を収録予定。ソロ・ピアノとピアノ・トリオに分けて演奏する。
http://a.ponycanyon.co.jp/okudagen/

収録曲
1 メープル・リーフ・ラグ Maple Leaf Rag (Scott Joplin)
2 キラキラ星変奏曲 Twinkle Twinkle Little Star (Mozart/Gen Okuda)
3 交響曲第1 番 ハ短調 作品68 Symphony No.1 c moll Op.68 (Brahms)
4 A列車で行こう Take The “A” Train (Billy Strayhorn)
5 イッツ・ショー・タイム! It’s Show Time! (Gen Okuda)
6 タイガー・ラグ Tiger Rag (Original Dixieland Band)
7 雄大な自然 Majestic Nature (Gen Okuda)
8 キャラバン Caravan (Duke Ellington/Juan Tizol)
9 午後の時間 In The Afternoon (Gen Okuda)
10 火祭りの踊り Danza Ritual del Fuego (Manuel de Falla y Matheu)
11 情熱大陸 Jounetsu Tairiku (Taro Hakase)
12 自由への讃歌 Hymn To Freedom (Oscar Peterson)
(メンバー)
奥田弦 (p)
生沼邦夫(b) on 3,4,5,11,12
小山太郎(ds,cajon) on 3,4,5,11,12

 アフリカ大陸からアメリカに渡ってきた人々は,異なった境遇の中に身を置きながらも,身体にしみ込んだ故郷の音楽を忘れなかった。ほどなく西洋音楽の影響も加わり,彼らの音楽は様式化され,さらにいくつかのスタイルに枝分かれし,酒場,ストリートからコンサート・ホールまで様々なロケーションにおいて生き続けてきた。ジャズはそのひとつである。最も芸術的な昇華をとげてきたスタイルとも言われる。ゆえに,理解をするための手順を踏む必要が生じる時もある。
ある日,ふとテレビを見ると「9 歳の天才ピアニストがジャズを披露」という大きなテロップ。そのパフォーマンスにプライスをつけるという。ジャズ鑑賞歴云十年の悪い癖で,「なるほど」とながら見していたら,ガンガン弾きまくる演奏に思わず引き込まれた。テンプレートとなる課題曲を練習して弾いたという形跡は微塵も無い。とてつもなくスインギーで,喜びに満ちている。これは凄い。昇華を追求するジャズに挑む演奏はもちろん素晴らしいが,ジャズの原風景というか原初のスタイルを彷彿とさせる演奏に唸らせられた。見終わった後で,彼を知らない自分が恥ずかしくなりTwitter に書き込んだ。
「そういえば昨日のテレビで,9 歳のジャズ・ピアニスト奥田弦君を見てたまげた。昨年はウチの地元のジャズ・フェスにも出演していたという」(4 月4 日深夜)。すると,所沢のジャズ・ライヴ・ハウス“スワン”のオーナーからTwitter 上で情報が入った。ウチの近く(埼玉県北部)に住んでいて,「和尚」のニックネームで知られるセミプロ・ドラマーがよく共演しているという。さっそく和尚さんから連絡先をお聞きし,さっそく(私にとって)謎の天才少年=奥田弦君のご家族に連絡をとった。
6 月5 日。弦君を実体験すべく,東日本大震災復興支援《毛呂山チャリティJAZZ コンサート》に赴く。キース・ジャレットを想わせる半ば直立の姿勢から弾き出される打鍵は力強く流麗。練習量も凄いだろうが,先述したようにテンプレートをなぞっている感はない。
お母さんにお聞きすると,3 歳からピアノを弾き始め,英才教育も受けずに,独学でここまできたという。先生についたこともあるが,そのメソッドに従うのではなく自分のイマジネーション表現に素直であるがゆえに,長続きしなかったという。このオリジナリティは天性の欲求から来ていた訳だ。6 歳でビル・エバンスを聴き,その後オスカー・ピーターソン,アート・テイタムに進み,ジャズ三昧のピアノ生活。7 歳でジャズ・アーティストと共演を行うようになり,9 歳にしてこの成長ぶり! ジャズ鑑賞歴云十年をして,心底脱帽させられた。同行したポニーキャニオンの山下プロデューサーも思わず聞き惚れ,このデビュー・アルバムへと結実。6 月5 日を自ら「奥田弦の日」にしたいとおもうほど記憶に残る1 日となった。

では,今回の新作を聞いてみよう。
1 メープル・リーフ・ラグ
スコット・ジョプリン作のラグタイム奏法による古典曲。ジャズ以前に登場したスタイルではあるが,スインギーなリズムとアドリブを包括する構成はまさしくジャズそのもの。
この素材を この素材を 122 年後に再構築するセンスの良さもことながら,正確なタイム感と打鍵 にも大い注目したい。

2 キラキラ星変奏曲
フランスの 流行歌をモーツァルトが変奏曲にした作品。弦君の4バリエーションも加わる。生沼邦夫 (b), 小山太郎 小山太郎 (ds) という第一線のリズム・セクションとのやりとりは彼の演奏を大きく飛躍させているが,無伴奏でも卓越したオリジナリティとテクニッを披露する。さらに両手の流麗な動きとイマジネーションの表出にタムラグは無い。左手,右手,アタマ。この3者がスパコン並のピードで有機的に処理される。これこそ弦君の並外れた知力と運動能力のあかし。しかも,嬉々として演奏する彼の表情が全篇から沸き上ってくるのだ。ピアノを始めたい年頃の子とその親御さんにもぜひ聞かせてあげたい。この演奏を聞けば,喜びを達成するための練習を拒否する子はいないだろう。

3 交響曲第1番 ハ短調 作品68
人気コミック「のだめ カンタービレ」に登場し注目を集めたブラームスの名曲。ジャズ・ ピアノの巨匠,小曽根真もクラシック・オーケストラと共演ステージで取り上げている。こ こでは原曲を大胆な解釈でブルース化。アーリー・ブルースを彷彿とさせるプリミティブな ブな響きとタイム感に驚くばかり。

4 A列車で行こう
ご存知,デューク・エリントン・オーケスラのテーマ曲。弦君の自由奔放さが顕著に示された演奏。バックステージで縦横無尽に飛び跳ねていた彼の邪気な仕草が,鍵盤上では躍動的なリズムとなって踊り舞う。9歳の表情を垣間見せる。軽やかで可愛いステップを想像して聞いてほしい。

5 It’s Show Time!
彼の才能を世に知らしめたTV番組「世界1のSHOW TIME」。2012年1月には再び番組に登場するという。その際の演奏曲として作られたモダン・ティスト溢れるオリジナル。リズム・セクションとの相乗作用が顕著に現れ、レコーディングの最中にも進化している弦君の姿が聞き取れる。

6 タイガー・ラグ
世界初のジャズ・レコーディングを行ったことで知られるオリジナル・ディキシー・ランド・ジャズ・バンドの1917年作。きらびやかなタッチと、スピーディーに何層も重ねられていくフレーズのレイヤーが、息つく暇さえ与えないほどのスリルとテンション、そして爽快感をリスナーに与えてくれる。アーリー・ジャズの魅力を再認識させる上でも格好のソロといえよう。

7 雄大な自然
インタールード的なオリジナル作。めまぐるしく変化する構成(音と描き出される心象風景)には映画のトレイラー(予告編)を想起する。

8 キャラバン
 デューク・エリントン作のスタンダード。あまりに多くのカヴァーが存在するので、このユニークな解釈に、それらを聞き込んできたファンは違和感を覚えるかもしれない。しかし、決まり事、自己規制のない彼だからこそ、ここまで自由に解体・再構築できたに違いない。構成的には弦君の引き出しにある様々な曲の断片がコラージュされた玉手箱的演奏。逆にここからジャズに入ろうとする方には極めてオープンな入り口となるはず。

9 午後の時間
クラシック曲から得たモチーフを「言葉」に置き換え、日常生活での会話を再現したかのようなオリジナル曲。聞きなれたメロディに頼らなくても、弦君の「言葉」は自然体でリスナーに話かけてくる。

10 火祭りの踊り
マヌエル・デ・ファリャ・イ・マテウ作のバレエ音楽。ピアノ1台でオーケストラルな構成を目指したコンセプチュアル・アレンジが施される。反復するテーマ間に積み重ねられていく音の波が、うねり、調和し、さざめきながらオーケストラ・サウンドを生み出す。

11 情熱大陸
葉加瀬太郎作による人気ドキュメンタリー番組「情熱大陸」のテーマ曲。この曲ではー番組「情熱大陸」のテマ曲。こでは煽 りに煽るドラムとベースたじろぐこなく,真っ向から受けて 立つ。結果として葉加瀬太郎~小松亮太のオリジナル演奏に真剣勝負で挑んだ熱演となった。

12 自由への讃歌
オスカー・ピーターソンが『ナイト・トレイン』に収録した黒人霊歌を想わせるおごそかな曲。黒人公民権運動に触発されたピーターソンの心情を理解するには早すぎるかもしれないが、この曲に屈した何かを弦君は耳で聞き取り、見事に表現している。タメの効いたリズム・セクションとのコンビネーションにより、一音一音に余韻を込め紡いでいく。この表現力にはストーリー・テラーとしての彼の資質も感じさせる。


7歳でジャズ・クラブのセッションに 参加したという度胸の良さと適応力は,天賦の才に 加え弦君の大きな推進力とっている。この推進力ゆえ,名うてのプロ・ミュージシャンを迎えた今回のレコーディングでも,彼の音楽はぶれることなく成長いうベクトルに向かって突き進んでいった。ジャズのルーツであるアフロアメリカン・ミュッークの野性的な躍動感とたくま しい生命力。それが奥田弦に宿ってる,私はいま本気でおもっている。

「ジャズジャパン」編集長 三森隆文

コメント / トラックバック1件

  1. 伸治 より:

    奥田弦くん。見に行きました。感動して言葉がでません。
    テレビで有名だからとか、子供だからとか、そんなのを一切抜いて音楽を奏でられる一流のミュージシャン。
    会場の拍手は鳴りやまず、そんなお客さんにMCでしっかりと答える。
    10歳にして、会場を熱く盛り上げることができる。
    アドリブもすばらしく、成長が目を見張るようだ。
    そのうち日本人が認めるトッププレイヤーになるだろう。